雨の日の思い出つづき
「ちょっと、通報があったものでよろしいですか?」
長い沈黙を破るように警察官が聞いてきた。
何も言わずにうつむいたままの彼女。
次が拙かった。
長い間逢えなかった彼女との再会を期待して、Dの腕の中には
むき出しのコンドーさんが握られていた・・・・・
「ちょっと、君こっち来て、住所は・・・・」
するとDは降りしきる雨の中訳も分からず夢中でその場から逃げ出していた・・
追いかける警官、彼女との別れを確信し、泣きながら走るD。
身元引受人を頼むと私の家に電話があったのは、その日の早朝でした。
今でも、雨が降るこの時期にはDの事を思い出します。
「もし、もし、俺だけど岡山まで迎えに来て・・・」
「うるせー、寝ろ。ツーツーツー」
ごめんな、D。そういえば、お前どうやって帰ってきたんだっけ?