雨の思い出

牛のゲップで海面が上昇する。
凄く昔に「進め電波少年」で松村が牛のゲップを減らすとか言ってそのままゲップを吸い込んでいた・・・・(物凄く臭いらしく、むせ返っていた)
こんな冗談のようなネタだと思っていた事もなんだか最近はバカに出来ない事だとどこかの学者が発表をしていたが、最近のニュースで沖ノ鳥島が海に沈むのも時間の問題だと言われている・・・・。(つーか、中国じゃ無いけどあれは島って言うより岩じゃん)
そのせいかどうかわからないが、4月が目茶苦茶寒かったり、かと思うともう梅雨入りしたんじゃないかと思うぐらい雨が多い。
この雨の続く日に地球の異常気象を心配するとともに雨の日の思い出を思い出した。

友人の話になるが、大学の1年の時に3年生の彼女と付き合っていたDは中々の男前、しかしながら酔っ払うと性質が悪く、すぐに所構わず喧嘩をするろくでなし。
一緒のサークルとバイトをしてたので酒さえ飲まなければまあ、普通の奴だった。
さてさて、このアル中Dの彼女は教育実習で実家の在る岡山に帰っていた。
そこで偶然昔の彼氏にバッタリ逢って、後はお決まりのコース、アル中Dとの恋仲も徐々に冷めてきた。でも、彼女の方から切り出す訳も無く、なんとも言えない関係を1年も続けていた。彼女はとうとう実家の在る岡山に就職が決まりDとの関係もこれで終わりかと思っていた。するとDが
「俺、あいつの事やっぱり好きだから、忘れられん、これから岡山行って来る」
何を思ったか、バイトが終わり居酒屋で飲んでる時に言い出した。
外は大雨、電車も終電を残すのみ。私はなけなしの1万円を貸してやり、暖かくDを見送った。Dは感謝の言葉も無いまま慌てて終電に向けて走って行った。

最後の雨

最後の雨

ホントに青春しやがって・・・正直そこまで彼女を好きでいられるDが羨ましかった。





ここまでは、実際に私が見た話、次からはDから聞いた話。
雨が降りしきる中、彼女の手紙に書いてあったアパートの階段で彼女の帰りを待つD
古いアパートで彼女の部屋の電気は付いていない。そっとドアに耳を当てても人の気配はしない。「もう寝ているのか・・・」嫌、それならそうと朝起きてくるまでドアの外で待とう。そしてもう一度彼女に言おう「お前の事が大好きだ。お前をもう一度振り向かせてみせる。」Dは根性のある男である。夜中の11時から朝まで待つつもりだった。雨が激しく降ってくる、雨宿りしているとはいえ、びしょ濡れだ。寒い体を震わせながらDが待つ事5時間。
彼女は誰かに送られて帰ってきた。微かに重なる影と影、どうやら口付けを交わしている雰囲気だ。バイバイとかわいらしく手を振る彼女、そこへDが声を掛ける。
「やあ、お帰り」彼女はびっくりして「キャーッ、誰〜!」辺りに響き渡る悲鳴で隣近所の電気が付く。
「俺だよ、俺」長髪のDは髪が濡れて誰か理解してもらえない。彼女は部屋に入ろうとする
「俺だよ、俺、Dだよ」彼女はやっと気付き「えっD?」やっと気付いてもらえたDはそのまま胸の内に秘めた思いを彼女にぶつけた。困惑する彼女、長い沈黙が流れた。

その時「すいません、通報がありまして駆けつけた警察ですけど。」住民の誰かが通報したようだ。

つづく